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Roland RMP-5 [電子ドラム]

 Roland リズムコーチ RMP-5 です。"ナン" みたいな格好ですね。
先日、RMP-1 を紹介しましたが、イシバシ楽器で中古が売っていたのでつい買ってしまいました。
 この RMP-5 では外部トリガー入力が2つになり、シンバルやトライアングルなど革モノ以外の音源も収録されました。このため、これだけで簡易なドラムセットを組むことができるようになったんです。

<< この記事は改訂版です >>

 リズム・コーチは『メトロノームに合わせてパッドを叩く基礎練習をもっと楽しく効果的にやりましょう』という企図で作られた製品で、初代の RMP-1、音源を持たない RMP-3、PCM音源が復活した RMP-5 と三代あります。
 RMP-5 には EXT TRIG 端子があり、外部パッドを2つ繋げられます。
外部パッドを接続して簡易的な練習用ドラムセットを組む例は、ローランドのホームページにもカタログにも載っています。(ドラムスクールなどで生徒さんが使うセットのような構成です) これをアレンジしてみました。

 RMP シリーズ用の専用スタンド PDS-2 がありますが、これをいくつも並べると邪魔だし移動が面倒。そこでスタンド1つに集めたいと思いました。それと CY-8 を右側に置いてライドシンバルとして使う場合はいいんですが、左側に置いてハイハットシンバルに見立てる場合、本物と違って揺れるのが気になります。またハイハットペダルを踏む「スチャスチャ」というフットワークの練習は RMP ではできませんから、必要に応じて本物のハイハットシンバルに付け替えて練習できる、そんな理由からハイハットスタンドを用意しました。(TAMA あたりが無難です)
 ハイハットスタンドに Pearl CH-70 というシンバルホルダを取り付けて RMP-5 を載せていますが、CH-70 は若干の改造が必要になります。

 RMP-5 のネジ穴は深さがあまりありません。ほとんどのシンバルホルダーは左の写真のように先端部にネジを切っていません。このためじゅうぶんに締めこむことができないので、上の写真のように先端部を断ち落とします。
(切断はボルトカッターやミニルーターの切断砥石が使えます。私は全部落としてしまいましたが、そうすると蝶ネジが取り付けにくくなるので 1mm くらいは残した方がいいかもしれません。)
 なお RMP-5 を取り付けるときはスポンジと座金を外し、蝶ネジを上下逆にして取り付けます。

 キックパッドには Roland KD-8 を組み合わせる例がカタログに載っています。現行製品だと KD-10 ですね。写真では Pearl の古い練習台にピックアップトリガーを取り付けて使っていますが、今は静粛性優先で KT-9 にしてあります。

 ハイハットは、当初本物のハイハットシンバルを付けていたのですが、ビニール袋を被せ、ラバーシートを載せてもカンカンと結構な音が出てしまいますし、ヘッドホンでは音が聞こえないのでなんだかつまらない。そこで、ハイハットも電子ドラム化することにしました。
 ハイハットスタンド用のパッドには Roland V-Hi-Hat VH-12 か VH-11、YAMAHA RHH-130
がありますが、パッドだけで RMP-5 より高くなってしまうし、「コントローラ」が使えませんから無駄も甚だしい... 他の方法はないでしょうか。
 カタログにも載っている CY-8、これが使えれば一番簡単なのですが、右の写真のように、パッドの回り止めのためスタンド取り付け穴の厚みがあってハイハットスタンドの"クラッチ"は取り付けられそうもなく、しかも前後のバランスも悪く、ハイハットには適しません。
 YAMAHA のものはどうだろう? と思い、お客様相談室に問い合わせたところ、寸法的には大丈夫そうとのこと。
 さっそく取り寄せました。購入したのは YAMAHA PCY130、シングルトリガーの円形シンバルパッドです。これより安い奴は扇形になっちゃうし、2ウェイトリガーになってもいいことないし...
 とか何とか言ってる間に、開梱してパッドを取り出します。ハイハットスタンドのクラッチを当ててみると予想通り、ばっちり取り付けられそうです。

 上側はこんな感じ。固定ナットは通常よりしっかり締めこんだ方がいいと思います。
 パッドのこの部分は薄く作られてはいるんですが、とはいっても本物のシンバルよりは厚みがあります。そこで、固めのフェルトを用意してカッターで薄くスライスして使ってもいいくらいかもしれません。
 ボトムカップ周辺。通常はこのようにシンバルの穴に通す部分がフェルトより突出してます。ボトム側のシンバルがありませんから、このままだとクラッチパーツが直接ここにガツガツと当たってしまいます。そこで、ハイハット受けのフェルトを二重にして嵩上げします。
 使ったのは Pearl FE-17 ¥105(税込)
そして最後に金属ワッシャを載せました。
 ホームセンターで5/8インチと1/4インチのワッシャーを購入、小さい方をヤスリで削って大きい方の内径に合わせ、(文字通り)叩きこみます。
 ペダルを踏むとシンバルパッドがこのワッシャーに当たり、の下のフェルトが衝撃を吸収してくれます。このときパッドがトリガーを出してくれます。既成品の Pearl PR-128 ¥105(税込) だと穴が大きいかな?
 カチカチと音が出るので薄いフェルトで軽く対策します。

 次がスプリングの調整。写真のハイハットスタンドは4段階の調整が付いています。PCY130 は結構重いので、スプリングを強にセットします。シンバルパッドをロッドに通してクラッチ締めて取り付けます。

 RMP-5 にパッドをつなぎます。接続ケーブルは、Roland PCS-31L というケーブルが指定されています。これは、標準ステレオフォンプラグを2つのL型モノラルフォンプラグに分岐するケーブルで、黒いプラグをシンバルパッドに、もう一方の赤いプラグをキックトリガーに接続します。
 2本に分れた部分の長さが足りない場合は、クリップを下げてケーブルを必要な長さまで裂きます。

 続いて設定を行います。METRONOME ボタンと COACH ボタンを両方とも押しながら電源を入れると液晶に H-2 と表示されます。ハイハットパッドを叩くとハイハットパッド関連の設定が可能になります。COACH ボタンを何度か押すと SnS という項目が出てきます。数値は(デフォルトだと)9 になっていますから、7 くらいに減らします。また COACH ボタンを何度か押すと cur という項目になります。これは Ld1 にします。あとは各人の好みに合わせて調整してください。最後に START/STOP を押して設定モードを抜けます。
 なお、PCY130 は YAMAHA の文字のあたりが感度が高く、エッジの部分はあまり感度がありませんので、なるべくパッドの上面を叩くようにしましょう。

 とりあえずこれで完成です。

ハイハットチッチッチッチッチッチッチッチッ
スネア/キックドッ ドッ タン 


というリズムパターンを奏でることができるようになりました。
ちなみにこんな音が出せます。マイク集音なんてパッドの打撃音が混ざってますけど。

 これで、右手、右足、左手までは使うことができるんですが、左足が役に立ってませんね。左足のペダルでテンポを刻んで見てください。全く意味がありませn... あれ? 「チッチッ」と音が出てますね。
そうなんです、これが先の『フェルトの上のワッシャ』の効果なんです ...それはさておき(さておくのかいッ?!)、本当は「スチャッ」という独特のフットクローズ音、ペダルを緩めながらハイハットを叩く「チィッ」というハーフオープン音など、左足の動きも重要です。でもこれは RMP-5 だけでは無理。
 そこで、休日の真昼間など、ある程度音量を出しても許される時は、本物のハイハットシンバルに付け替えて練習している、という訳なんです。滅多にできないですけどね。

 この RMP-5 は外部トリガーを1系統(ただし分岐ケーブルを用いればパッド2つまで)持っていますけれど、セットでの練習となると、もう一つ欲しい。「チーン・チチチーン・ジャーン!」 そう、シンバル。
 スネア(本体)、キック、ハイハット、シンバルの4つのパッドに、ハイハットペダルが使えて、シンバルもクラッシュとライドを鳴らしわけ出来れば凄くいいと思いません? そこまでいくともう V-Drums TD-3 を買ってくださいということなのかもしれませんけど、もう一つ外部トリガーとハイハット・コントローラ端子があればなぁ、と思います。VH-11 よりずっと安いエントリー V-Hi-Hat もね。

 あと,目立たない特徴ですが、RMP シリーズはACアダプターのほかに電池でも動くので、野外ライブとかセッティングに時間を掛けられないイベントとかでも活用できそうですよね。ギターみたいにワイヤレス繋いで、ささっと運んで演奏、さっさと撤収、なーんて。 (そうするとより簡易な運びやすいキックトリガーも欲しいなぁ)

※ この記事は2007年12月1日(土)に大幅に書き直しを実施した改訂版です。

P.S.
 ヤマハから新型シンバルパッド PCY135 が出ました。某所から短期間借りられたので試してみました。クラッチの取り付けは問題ないです。パッドが大幅に軽くなったのでペダルの動作も軽快です。しかしですね、センサーが "改善" された結果 外乱に強くなり、かわりに ペダルを踏んでカツカツやってもトリガーしてくれません!!
 せっかくの改善が、こんなところで徒(あだ)になるとは! 同じ事をやろうとする方、ご注意ください。


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コメント 7

アインちゃん

PCY-130はエッジのところの感度が微妙なのか・・・
それはハイハットパッドにするためには結構重要かも・・・
by アインちゃん (2007-12-02 15:51) 

tak

PCY130 というより、PCS-31L 分岐ケーブルが『リムセンサー(エッジセンサー)を使わない代わりにもう一つ別のパッドを繋げます』って仕様のケーブルなので、例えば VH-11 を使っても同じことになります。仕方ないですね。
by tak (2007-12-05 01:48) 

Saraの親父

こんにちわ。
RMP-5で検索して、記事を読みました。
娘がドラム練習してまして、
RMP-5の活用法参考にさせていただきます。
by Saraの親父 (2008-03-23 11:15) 

tak

Saraの親父さん、はじめまして、この冬からドラム始めたばかりです。
RMP-5 を拡張するのは、場所がなくてどうしてもセットは置けないとか、
すでに RMP-5 を持っている、というのでないとお勧めはできないですが
こんなやりかたもある、ということで...

実際の音は以下のリンクで聴けます。
http://www.drummerjapan.com/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=109

でもですね、実は今、更にシンプルに組みなおしてあります。
http://blog.so-net.ne.jp/blog/_images/blog/_ea0/supersense/11286192.jpg

Saraさんのセット拝見しました。リズムコーチ機能がご所望なら、スネア
にトリガー YAMAHA DT20 を取り付けて、BOSS Dr.Beat DB-90 に
つないであげてもいいかもしれませんね。
by tak (2008-03-23 22:57) 

tak

PCY-130、CY-8、CY-5、TD-10 のセットから借りてきた VH-11、
あれこれ試しましたが、感度カーブを LOUD1 に設定したことを除けば、
ハイハットには PCY-130 が一番よかったような...

さて、ハイハットパッドといえば YAMAHA DTXTREME III に採用さ
れた新パッド RHH-135、定価で ¥27,300 とのことで、お買い得な
価格ですね。DTXPLORER に一点豪華主義でこれ付けてもいいカモ。
by tak (2008-03-23 23:04) 

うしし

RMP-5を持っていますが、これから拡張を考えています!
高校生なのでお金が無いですから、できればtakさんのようにバスドラパッドは自作したいところ……です。
写真で拡張しているバスドラムパッドは……YAMAHA ドラムトリガー DT30を使用したパッドですよね!?それでRMP-5は認識してくれるのでしょうか? 他社のものなのでとても気になりました。
by うしし (2008-06-06 17:35) 

tak

うししさん こんにちは。
 ラバーパッドもメッシュパッドもドラム・トリガーも信号は「バシッ」という衝撃音で同じようなものですから問題ないです。センサータイプは kd8 を元にパラメータ調整します。

 お金がないから、ということなんですけど、ドラム・トリガーだけでも三千円程しますし、http://supersense.blog.so-net.ne.jp/2007-12-27
のエントリのように工夫も必要です。もともとキック練習台を持っているのでなければ YAMAHA KP65 なんかを買うほうが断然安あがりですよ。
 ハイハットは、本物のハイハットシンバルに SO14HAT などのミュートを被せて使うのがいいと思います。またはフットワークの練習を諦めて CY-5 で済ませるか。
by tak (2008-06-07 10:22) 

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