SSブログ

Giada B170 で Solaris 10 (rgeドライバー) [パソコン・AV]

B170-BG001.jpg

Giada B170-BG001 というパソコンを持っています。お値段19,800円也- とってもちっちゃい。

tak は仕事柄いろいろなコンピューターを使っています。個人所有のものだけでも、全部列挙したらきりがないくらい。コンピューター関係の話はあんまりの blog に書いてきませんでしたが、これからは備忘録的な意味でもちょこちょこ書いていこうかと。

さて、この Giada というあまり聞きなれないメーカー製ベアボーンキット。 CPU は Celeron 867 が載っています。(交換不可) あとは メモリーと HDD を取り付けるだけで完成というシンプルなもの。SD/MMC カードリーダーや 無線LAN機能まで付いてます。ケースも「マザーボードをプラスチックとアルミのフレーム部材で挟んでまるごと筐体とする構造」でなかなか凝っています。

去年 Solaris 10 を動かそうと思ってこいつを買ったわけなんですが、Realtek 製のネットワークコントローラーを認識してくれなくて、あれこれ試行錯誤したものの通信できず、あえなく撃沈。
しょうがないので Windows 8.1 入れて寝室のテレビに繋いでメディアプレーヤーやゲーム機代わりに、なんて思ったんですが、そうするとメディアプレーヤーはともかく、ゲームをするにはグラフィック性能が足りずカクカクしちゃっう。結局 Core i5 搭載の Intel NUC を買い足すことになり、こいつは『押し入れの肥やし』要員になっていました。

Solaris 10 のサーバーの方は、仕方なく従来からのサーバーを使い続けていたのですが、MicroATX ミニタワーで邪魔だし、これ Sempron 3400+ (35W) を搭載して 2006年に作ったもので、8年間連続稼働中・・・ いつ寿命で死んでもおかしくない。あれこれ悩んでいるうちに あるトピックを見つけ、B170 を引っ張り出してきて試したところ・・・ ビンゴ! 懸案だったネットワークが使えるように!

ポイントはこれ

  『 /etc/system に 「set ip:dohwcksum=0 」 の1行を追加』

Solaris 10 1/13 x86 のインストールDVDからはネットワークコントローラーを見つけてくれないので ネットワーク無しでインストールを進めますが、インストール終了後に 以下の作業を実施することでオンボードのネットワークインターフェイス(Realtek 8168?)が使えるようになりました。

まずはデバイスIDの調査から。管理者権限にて太字部分を入力し、Enter キーを押します。
giada# prtconf -v | grep "pci10ec" | grep "value="
                        value='pciex10ec,8168.10ec.123.6' + 'pciex10ec,8168.10ec.123' + 'pciex10ec,8168.6' + 'pciex10ec,8168' + 'pciexclass,020000' + 'pciexclass,0200' + 'pci10ec,8168.10ec.123.6' + 'pci10ec,8168.10ec.123' + 'pci10ec,123' +'pci10ec,8168.6' + 'pci10ec,8168' + 'pciclass,020000' + 'pciclass,0200'
giada#
出てきた結果から、 pci10ec,xxxx の形式になっている部分を探します。 123 と 8168 の2つが見つかるので、8168 を採用します。

設定ファイル /etc/driver_aliases
rge "pci10ec,8168"
の1行を追加します。 driver_aliases の書き換えは慎重に行ってください。

先ほども出てきた設定ですが、/etc/system の末尾に
set ip:dohwcksum=0
の1行を追加します。こちらも書き換えは慎重に。

間違えが無いかよく確認して、一度 OS を再起動します。
giada# init 6
syncing file systems... done

管理者権限でログインして、rge インターフェイスが使えるようになっているか確認します。
giada# prtconf -v | grep "pci10ec" | grep "rge"
                        dev_path=/pci@0,0/pci8086,1c14@1c,2/pci10ec,123@0:rge0
末尾に rge0 と出ていますね。

plumb してみます。
giada# ifconfig rge0 plumb
giada#

続いて ifconfig で見てみます。
giada# ifconfig -a
lo0: flags=2001000849 mtu 8232 index 1
        inet 127.0.0.1 netmask ff000000
rge0: flags=1000843 mtu 1500 index 2
        inet 0.0.0.0 netmask 0
        ether xx:xx:xx:xx:xx:xx
giada#
OK ですね。

/etc/driver_aliases への別名定義だけでは、ping は通っても SSH や FTP、HTTP といった通信ができなかったのですが、今回 /etc/system への設定追加によって、普通に使うことができるようになりました。

あとは定型のネットワーク設定です。設定すべきファイルを一覧を下記に挙げます。
それぞれの設定の詳細は省きますので、google で検索するなどして調べてください。
/etc/hostname.rge0 (中身は /etc/nodename と同じで /etc/inet/hosts と一致していること)
/etc/inet/hosts (IPアドレスとホスト名を紐づける)
/etc/inet/netmasks (必要に応じてネットマスクの記述を追加)
/etc/defaultrouter (デフォルトゲートウェイの IPアドレス を記述)
/etc/resolv.conf (domain, nameserver, search の各エントリーを記述する)
/etc/nsswitch.conf (hosts: files の行の末尾に、" dns" を追加)
/etc/hosts.allow および /etc/hosts.deny (必要に応じて作成)
再起動すれば OS が再構築を実施して SSH などの接続を受けられるようになるはずです。

[おまけ]
TELNET や FTP、sendmail の接続を受けられるようにするには、下記のようにします。
giada# svcadm enable telnet (in.telnetd の待ち受けを有効にする)
giada# inetadm -m telnet "tcp_wrappers=TRUE" (/etc/hosts.allow 有効化)
giada# svcadm enable ftp (in.ftpd の待ち受けを有効にする)
giada# inetadm -m ftp "tcp_wrappers=TRUE" (/etc/hosts.allow 有効化)
giada# inetadm -m ftp "inherit_env=FALSE" (FTPクライアントにおける文字化け対策)
giada# svccfg -s svc:/network/smtp:sendmail setprop config/local_only = false (電子メールをネットワーク越しに送受信する場合のみ実行)
FTP の文字化け対策は、exec の方で "env LANG=C /usr/sbin/in.ftpd -a" するとか wrapper 噛ますとかいろいろ回避策はありますが、まぁ一番安直な方法で。

無事に Solaris 10 が稼働するようになったのですが、本機はディスク装置を1台しか内蔵できません。内蔵ディスクだけで RAID1(mirror)が組めない訳ですが、eSATA 端子が付いているので 外付けHDD を活用するとか、ネットワーク越しにバックアップを取るとか、とにかく運用でカバーするしかありません。

[自分用メモ]
省電力化(アイドリング時にCPUクロックを落とす)

拡張版 Intel SpeedStep Technology の有効化=/etc/power.conf で
cpupm enable poll-mode (太字部分を追加)
pmconfig 叩いたら最低クロックにすこーんと落ちたよ
kstat -m cpu_info -s supported_frequencies_Hz でクロック一覧
kstat -m cpu_info -s current_clock_Hz で現在の動作クロック

ところで、B170 のBIOS には Numlock Status の設定項目が無いようだ
省スペースキーボード繋いでハマった

nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 0

コメント 1

tak

NUC じゃないの? (NUC にしなかったの?)と聞かれそうなので。

当時 Celeron搭載NUC といえば DCCP847DYE ですが、それと比べて
・2.5インチの SSD や HDD を搭載できる(M.2 を新たに買わずに済む)
・Celeron 867 搭載で NUC の 847 よりクロックが高い
・11n 対応の Wi-Fi アダプターを内蔵
・SD/MMC カードリーダーを内蔵
・USB 端子が5つ(前面×2、後面×2、側面×1)
と、これくらい機能差があったのです。

今は、NUC や BRIX にも HDD を内蔵できるモデルが出ていますね。
by tak (2014-09-03 17:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。